看護はケガや病気をしている人に対して行うものという印象があり、実際に大多数の看護師は病院に勤務している。
しかし、看護の対象となるのは、健康な人も含めたあらゆる状態の人だ。
すべての人が対象であるため、病気を未然に防ぐための情報を提供したり、日常的に健康を管理する保健の仕事も大切な分野だ。
このように看護の領域は幅広いため、それぞれの職場では看護師の他に数種類の資格を取得し、活躍の範囲を広げるケースも少なくない。
例えば、企業内に医務室や健康管理室を設けている会社もあるが、そこを職場としている看護師もいる。
健康保険組合から派遣される場合もあれば、企業の正社員として採用される場合もある。
どちらにしても、企業で従事する人たちの健康を守ることが主な業務であることから、企業内看護師や産業看護師と呼ばれている。
健康診断を実施する際は、従業員の健康に対する意識を高めて、受診率を上げなければならない。
「業務が多忙だから受診できない」というような理由を認めないためにも、日頃から社員と積極的にコミュニケーションを取る姿勢も大切だ。
健康診断実施後は、すべての診断結果に目を通し、異常がないかをチェックする。
異常があっても日常的にストレスを感じることが当たり前になり、本人に病気の自覚症状がないこともあるので、わかりやすく説明し再検査を促す必要がある。
なお、一般的に企業内看護師は夜勤がないため、育児との両立がしやすいと言われている。